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対象関係論に学ぶ心理療法横浜セミナー第一期のご案内

対象関係論に学ぶ心理療法横浜セミナー第一期のご案内

――日常臨床のための対象関係論――

講師:愛知教育大学大学院 祖父江典人
事務局代表:北川清一郎((株)心理オフィスK 代表取締役)

New! 申し込み期日が過ぎましたが、多少残席がありますので、希望者はご連絡ください。(平成29年5月1日)。

概要

来たる平成29年5月から、愛知教育大学大学院教授祖父江典人先生をお招きし、「対象関係論に学ぶ心理療法横浜セミナー第一期」を開催するご案内をいたします。

本セミナーは、 “普通の臨床家”のための心理療法を実践的に学んでいくことを目的としています。今日、私たちの臨床分野は、精神科臨床にとどまらず、小児科などの他の医療分野、教育、福祉、産業、リエゾンなど、さまざまにその裾野を広げています。さらには、週一回50分の面接構造も維持されることが困難な現場は珍しくなくなってきています。この傾向は、今後さらに広がっていくことでしょう。そのような多様な臨床が要請される中、私たちには、日常的で柔軟な臨床姿勢や技法が必要とされるのではないでしょうか。

本セミナーは、精神分析に特化したセミナーではなく、柔軟で日常的な臨床を行う上で、対象関係論の叡智から何を学べるかを目的とします。日常臨床の裾野が広がってきたのは、まだ最近と言ってもよいでしょう。したがって、私たち臨床家は、それに対応する理論やスキルも充分に備わっているとは言えません。核となる考え方なくしては、逆に日常臨床の現場の要請に右往左往してしまうかもしれません。本セミナーは、精神分析の枠にあまりに縛られてしまうことなく、普通の臨床家が対象関係論の叡智から学ぼうとするものです。認知行動療法が今日必要なことは充分に理解されるところですが、それのみでは何か物足りない、もう少し人の心の奥深くを理解した関わりを持ち、実践にも活かしたいと願う臨床家を対象としています。

さて、対象関係論の叡智には、クラインの象徴への直観、ウィニコットの柔軟な技法、ビオンのコンテイニング理論、タスティンやアルバレズの子どもの心理療法など、充分に日常臨床に活かすことの可能な豊富なアイデアが含まれています。

ですが、まず今期は「フロイトから学ぶ」が基本となります。フロイトは、性愛的な自己を苦痛な自己部分として措定した最初の人です。後期には攻撃的な自己の病理性も大きく視野に収めるに至りました。フロイトは今日の対象関係論の流れに繋がる、内的自己と内的対象のテーマを臨床的に考えた最初の人なのです。

ただし、本セミナーでは、単にフロイト理論の解説を目指そうとするものではありません。フロイト自身も、「性愛」「抵抗」「転移」「反復強迫」「攻撃性」など、後に概念化された臨床事実に、その都度驚き、たじろぎながらも、こころの謎の解明に踏み込んでいった人でした。私たち心理臨床家も、フロイトには遠く及ばぬながらも、日々の臨床において、フロイト同様に目の前のクライエントを前にして、時に頭を抱え込みながらも、何とか理解の道に到達しようともがいています。本質的なところにおいて、フロイトの辿ったこころの営みと変わるところはありません。

対象関係論の叡智から心理臨床を学び、自らの臨床の深まりを求める方でしたら、必ずしも精神分析的セラピストではなくても、大いに歓迎いたします。

なお、当日ご都合等によりセミナーに参加できなかった方には、翌回以降講義部分の録音CDの貸し出しを行います。

どうぞご参加をお待ちしております。

要項

定員:

約50名

会場:

八洲学園大学9階9A教室(〒220-0021 横浜市西区桜木町7-42)
アクセス:横浜駅(東口)から徒歩10分
横浜市営地下鉄「高島町」駅から徒歩1分
横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島」駅から徒歩5分
京浜急行「戸部」駅から徒歩5分
※都合により会場が変更する場合もありますが、その際には必ず連絡させていただきます。

日程:

毎月1回平成29年5月より日曜日(午後1時から5時まで4時間)
(計10回)

受講料:

4万円(院生、研究生3万円)

受講資格:

臨床心理士、医師、臨床心理系の大学院生、守秘義務を持つ専門家

締め切り:

平成29年4月30日

お申し込みはこのページの一番下にある「第一期参加申込書」に記入の上、下記事務局までメールか郵送でお申し込みください。振り込み口座等は、お申込のご連絡とともにメールにてご返事させて頂きます。

※なお、本セミナーは、日本臨床心理士資格認定協会の定例型(継続型)研修会(4ポイント)に申請予定です。

事務局:

北川清一郎
メールアドレス:info@s-office-k.com

参考図書

なお、祖父江典人著『対象関係論に学ぶ心理療法入門――こころを使った日常臨床のために』が誠信書房から刊行されています。本セミナーの基礎知識としてよろしければお求めください。さらに、今春3月には、祖父江典人・細澤仁編著『日常臨床に活かす精神分析――現場に生きる臨床家のために』が発刊されました。こちらは、馬場禮子、成田善弘、松木邦裕、乾吉佑先生などの錚々たるメンバーが執筆陣に加わっています。これらを含め、計5冊をいずれも特別割安価格にて販売いたしますので、ご希望の方は、「第一期参加申込書」の中の該当欄にご記入ください。

セミナー講義スケジュール

前半:講義(講師祖父江):13時より15時

「テーマ:日常臨床のための対象関係論――フロイト編」

第1,2回では、対象関係論の基本的な考え方や見立てを行うにあたっての作法をお話しします。3回目以降は、フロイトが臨床事実を前にして、いかにこころを使ってクライエント理解を進めていったのか、そのプロセス自体を読み解くことにより、私たち自身の日々の臨床におけるこころの使い方の研鑽を目指したいと考えます。

月日テーマ講師
2017/5/7(日)日常臨床のための対象関係論(1) ――その特色と作法祖父江典人
2017/6/4(日)日常臨床のための対象関係論(2) ――見立てと読みの実際
2017/7/23(日)フロイトの生涯と『ヒステリー研究』 ――エディプスの申し子フロイト
2017/8/27(日)フロイトの基礎理論:「精神分析入門」ほか ――範型たらんとするフロイト
2017/9/17(日)フロイトの症例1:「ドラ」と「狼男」 ――フロイトはなぜ失敗したのか
2017/10/29(日)フロイトの症例2:「鼠男」ほか ――フロイトはなぜ成功したのか
2017/12/3(日)フロイトの技法論1:「転移の力動性について」ほか ――驚き、たじろぐフロイト
2018/1/7(日)フロイトの技法論2:「想起、反復、徹底操作」ほか ――立ち向かうフロイト
2018/1/28(日)フロイト後期の重要論文1:「快感原則の彼岸」ほか ――新たな難敵の出現
2018/3/4(日)フロイト後期の重要論文2:「精神分析概説」ほか ――最後にフロイトが見たものとは?

※なお、上記講義を欠席された方は、希望により、録音CDの貸し出しを行います。

後半:症例(事例)検討:15時より17時まで

・参加者による症例(事例)提供と祖父江によるスーパービジョン方式です。症例(事例)発表者は、希望者の中から調整します。

・なお、司会者を参加者の皆さんの中から順に立てる方向で調整します。後日事務局から問い合せのメールをさせていただきます。

・症例(事例)検討の方法は、通常の検討会のやり方とあまり変わりません。事例の概要をA3 用紙1枚程度でまとめていただき、あとは初回からの面接経過をまとめてください。まとめたものは、一週間前ぐらいに、事務局の方まで添付ファイルにてお送りください。当日人数分用意します。

・検討会の目的は、事例の概要から、まず、ケースをどのように見立てるか(アセスメント)、それに応じてどのような面接方針が立てられるか、さらに面接経過の流れの中でどのようにケースのこころの動きを読み取るか、などに焦点を当てます。

・第一期では、見立てに加え、毎回のケースのこころの動き(つまり、無意識や内的対象関係)、セラピスト側のこころの動き(逆転移)を踏まえながら、ケース理解や面接の流れなどを読み、今後どのような関わりが必要になるのかなど、検討していきたいと考えています。

書籍販売

書籍に関しては、下記5点を販売いたします。セミナーご参加のための基礎的知識として、よろしければお求めください。

・『日常臨床に活かす精神分析――現場に生きる臨床家のために』(祖父江典人・細澤仁編著)誠信書房(3456円(予定)のところ、セミナー特別価格3000円にて販売)
・『対象関係論に学ぶ心理療法入門――こころを使った日常臨床のために』(祖父江典人著)誠信書房(3456円のところ、同じく3000円にて販売)
・『ビオンと不在の乳房』(祖父江典人著)誠信書房(3240円のところ、同じく2500円にて販売)
・『新装版 ビオンとの対話』(祖父江典人訳)金剛出版(4536円のところ、同じく4000円にて販売)
・『新装版 ビオンの臨床セミナー』(松木邦裕・祖父江典人訳)金剛出版(4860円のところ、同じく4000円にて販売)

なお、お渡しはセミナー当日にお渡しします。5月以降のご希望のセミナー月となりますので、お渡し希望月を参加申込書にご記入ください。代金はセミナー参加費と併せてお振込みください。