概要
近年、DV防止法の施行に伴い、医療・福祉・相談などの現場では、電話相談や面接を通してDV被害者に対応する機会が増えています。実際の支援場面では、被害者が同じような質問を何度も相談員に尋ねてきたり、迷いを抱えたまま行動につなげられなかったりすることも少なくありません。そのような状況に直面し、どのように関わればよいのか悩んだ経験を持つ現場の方も多いのではないでしょうか。
本研修会では、DV被害者との面接に即座に役立つ見立ての枠組みと、実践的な対応スキルを提供します。被害者の主体性を高めるアプローチ、すり減ってきた感性を回復するための働きかけ、被害者の気力が減退しているときに活力を高める工夫、さらに、さまざまな考えが湧いてきて収拾がつかない状態にある被害者への対応など、現場で直ちに活用できる具体的なノウハウを学ぶことができます。
開業臨床に25年以上携わってきた講師が、豊富な臨床経験をもとに、クライエントの新たな可能性を広げるための実践的な秘訣を惜しみなく伝授します。DV被害者支援の現場で役立つ視点と対応力を身につけたい方にとって、有益な学びの機会となる研修会です。
本セミナーで学べること
- トラウマの理解とDV被害者の心理機制
- 被害者のニーズに応じた援助技法
- セルフケアの工夫
- 二次被害のメカニズムを理解し、その防止方法を知る
- 面接の組み立て方
- DV被害者用にアレンジしたリフレイミング
講師
草柳和之 先生
- 所属:メンタルサービスセンター代表、大東文化大学非常勤講師
- 資格:日本カウンセリング学会認定・カウンセリング心理士、NLPマスター・プラクティショナー、ブレインスポッティングphase1:2修了者 他
- 学会:日本トラウマティック・ストレス学会、日本カウンセリング学会、日本犯罪心理学会、日本心理劇学会、日本外来精神医療学会、日本音楽療法学会
- 社会的活動:日本カウンセリング学会東京支部会・運営委員
- 経歴:長年にわたりDV被害者支援に携わるとともに、日本で初めてDV加害者更生プログラムの実践および研究に着手し、以来、25年以上にわたって活動を発展させています。これまでの活動は、新聞やテレビ、雑誌など各種メディアを通じて広く紹介されています。人権教材「DVカルタ」の製作者。災害心理社会的支援に関する大学間ネットワーク緊急時支援登録者。さらに、音楽によるDV防止キャンペーンにも力を入れており、世界的に活躍する作曲家・野村誠氏にDV根絶を願うピアノ曲を委嘱し、その曲を国内外で20余年にわたり演奏しています。平和のための音楽会、ライブハウスのランチタイムコンサート、学会のミニコンサート、自治体との協働イベント、DV問題シンポジウムなど、さまざまな場面で演奏活動を展開し、「社会の平和は家庭から」のメッセージを訴え続けています。また、「stop セクハラ・DV・性暴力」推進を目指す市民参加型コンサート《パープルリボン・コンサート》を、これまでに5回主催・開催しています。家庭裁判所や国の研究機関、自治体、弁護士会、大学、学会などから幅広く講演や研修会の依頼を受けており、その優れた研修指導は多くの人々から支持されています。長年にわたるDV問題への先駆的な取り組みが評価され、社会貢献支援財団より平成27年度社会貢献者表彰を受賞しています。
- 著書
草柳先生の他のセミナー
セミナーの紹介
レジュメの一部
セミナーの様子の一部
動画の内容
本セミナーでは、草柳和之先生を講師にお迎えし、DV(ドメスティックバイオレンス)被害者支援に必要な基本的理解から、具体的な面接のあり方までを取り上げています。DVを単なる夫婦間のトラブルや暴力行為の有無として捉えるのではなく、相手をコントロールし、服従させる関係性の問題として理解する視点を中心に解説しています。
まず、身体的暴力や精神的暴力だけでなく、社会的・経済的なコントロールなど、日常生活の中で繰り返される支配にも目を向けます。日常的なコントロールと明確な暴力行為が重なって存在する「DVの暴力の二重構造」を取り上げ、被害の深刻さを暴力行為の程度だけで判断せず、関係性の中で蓄積される支配や拘束を含めて理解することの重要性を解説しています。
また、DV被害そのものによる一次被害に加え、周囲や支援者の無理解や責任転嫁によって生じる二次被害についても詳しく扱っています。「なぜ逃げなかったのか」「被害者にも問題があったのではないか」といった見方が、被害者をさらに傷つける可能性があることを具体的に検討し、支援者自身が持つ価値観や先入観を振り返る必要性についても取り上げています。
被害からの回復を支える具体的な方法としては、サイコロジカル・リカバリー・スキル(SPR)を紹介しています。問題解決能力の向上、ポジティブな活動の促進、心身反応への対処、役に立つ考え方の獲得、周囲との良好な関係づくりという5つのスキルをもとに、被害者の日常生活と回復をどのように支えていくのかを解説しています。被害者自身が実行可能な小さな行動目標を設定し、自己効力感や主体性を回復していく支援の工夫にも触れています。
面接においては、共感的な理解と危険度評価をどのように両立させるのか、被害者の怒りや葛藤をどのように受け止めるのか、支援者の価値観を押しつけずに選択肢を提示するにはどうすればよいのかなど、実践的なポイントを取り上げています。被害者ファーストの支援とは、支援者が「正しい答え」を与えることではなく、被害者の主体性や自己決定を尊重しながら、その人自身が選択していくことを支える関わりであることが示されています。
さらに、DV臨床では、支配やコントロールの力動、被害者の葛藤や迷いに支援者自身が巻き込まれ、強い感情を抱くこともあります。本セミナーでは、そうした支援者側に生じる感情や反応にも目を向け、自らの状態を振り返りながら支援の軸を保つことの重要性について考えます。面接場面で支援者に生じる反応を、クライエントや関係性を理解するための手がかりとして捉える視点にも触れています。
DVの構造理解、二次被害、回復支援、危険度評価、面接姿勢、支援者自身のあり方まで、DV被害者支援を多角的に整理した内容となっています。被害者の安全と主体性を尊重しながら、支援者としてどのように関わっていくのかをあらためて考えることのできるセミナーです。
収録時間
約5時間00分(グループワーク含む)
オンデマンド視聴期間
無期限
参加費
5,500円
- 体調不良、急用、家庭の用事など個人的な理由であってもキャンセルの場合には返金します。
- 支払い方法はクレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、ペイジー(Pay-Easy)があります。
- 自治体などで請求書払いが必要な方はこちらの【請求書払いの申し込みフォーム】からご連絡ください。
オンライン開催
オンデマンド視聴はVimeoを用いています。視聴可能かどうかはこのテスト視聴のページをご覧ください。映像と音声がうまく再生できていればオンデマンドは視聴可能です。
参加資格
臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、看護師、保育士、教師などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生、一般の方など。DV被害者支援などに興味を持っていればどなたでも参加可能です。
臨床心理士更新ポイント
本セミナーは、ライブ配信・オンデマンド視聴のいずれも、臨床心理士資格更新における2条(4)の項目(2ポイント)に関する研修機会として取り扱っています。資格更新に必要な参加証明等の手続きについては、受講された臨床心理士の方へご案内します。
申し込み期日
- ライブ配信に参加の方:2026年5月31日(日)まで
- オンデマンド視聴を希望の方:無期限
参加方法
- 下の「セミナーに参加する」ボタンを押す
- ページが移動したら、「購入手続きに進む」ボタンを押す
- 名前、所属、メールアドレス、資格を記入し、支払い方法を選択する
- 選択した支払方法に従ってお支払いをする
- メールが届いたら、その中に記載された視聴案内のPDFファイルをダウンロードする





