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フロイトのシュレーバー症例からカウンセリングを考える

 フロイトのシュレーバー症例PDFファイル外部リンクを必要あって再読。同時にシュレーバーの父親の矯正器具についても研究本であたる。シュレーバーの父親は子供の姿勢を矯正し、発達を促すということで、身体を固定する器具を子供に装着してたよう。これは今だったら虐待と言っても良さそうに思える。

 フロイトも分析しているが、シュレーバーの妄想には、そうした父親の矯正器具らしきものや、父親=神として登場している。虐待を受ければシュレーバーのように必ず統合失調症になる、ということではないが、心身に深刻な損傷を与えることは疑問の余地はないだろう。

 シュレーバーはおそらく統合失調症であろうとは思うし、幼少期のことが妄想体系に発現するとは言っても、それが直接治療に役立てることが出来るかどうかは不明。今なら、投薬して、必要であれば入院して、さらにリハビリして、という通常の治療コースに乗るだけだろう。

 妄想を過度に取り上げて助長することは戒めねばならない。ただ、この妄想は症状というだけではなく、その人の人生やこれまでの体験経験に深く根ざしたものであるかもしれない。だとすると、妄想の中にその人らしさや人格、人間性を垣間見ることもあるかもしれない。

 つまり、人間との触れ合いと出会いの可能性があり、人間の尊厳と畏怖を見出せても良いのかもしれない。我々はどうしても、統合失調症の誰それという病気を主軸にした捉え方と関わりをしてしまいがちである。しかし、病気は置いておいて、その人との出会いを大切にする観点は大切にしておきたい。

読書   2016/05/24   北川 清一郎

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