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開業カウンセラーが『AIで集客する仕組み』を読んでみた

住太陽(著)『AIで集客する仕組み』技術評論社を読みましたので、その感想を書きます。

本書の位置づけ

本書は、生成AIの普及によって検索行動が大きく変化する時代において、中小企業や個人事業主がどのように集客を考えるべきかを解説した一冊です。SEO、AEO、GEO、LLMOといった新しい用語が飛び交うなかで、本書が一貫して主張しているのは、AI時代になっても本質は変わらないということです。

著者によれば、AI検索対策とはAIを攻略するための新しいハックではありません。むしろ、これまで以上に知名度や評判、専門性、実在性が重要になります。AIは自ら商品やサービスを体験できないため、人々の口コミや評判、指名検索、第三者からの言及などを参照しながら回答を生成します。そのため、AIに選ばれるためには、まず人間から選ばれる存在になることが必要であると説かれています。

また、本書では、自社サイトの役割が変化していることも指摘されています。従来は検索結果から多くのアクセスを集めることが重視されていましたが、AI検索時代には、自社サイトはAIを経由して訪れた見込み顧客が答え合わせをする場所になります。したがって、サイトには専門性や実績、事例、利用者の声など、信頼を裏付ける情報を丁寧に蓄積していくことが求められます

開業カウンセラーとAIとネット

ハイタッチする男女

本書を開業カウンセラーの立場から読むと、非常に示唆に富む内容でした。

開業カウンセラーの世界では、これまでSEO対策というと、キーワードを意識した記事作成や検索順位の向上に関心が向きがちでした。しかし、本書を読むと、AI時代においてはそうした小手先の工夫よりも、どのような専門家として認知されているかが重要になることがよく分かります。

例えば、ホームページに掲載しているコラムやセミナー情報、書評、研究活動、学会発表、外部講演などは、単なる情報発信ではありません。それらは専門家としての実態や専門性、社会的評価を示す重要な証拠となります。AIはそうした情報の蓄積を参照しながら、どの専門家を推薦するかを判断していくのです。

また、カウンセリング・心理療法・心理支援というのは、ラーメン店や家電製品のように気軽に試すことができるサービスではありません。そのため、ユーザーは申し込みの前に何度も情報収集を行い、このカウンセラーは信頼できるのか、自分の悩みに対応できるのかを慎重に検討します。

さらに印象的だったのは、AI時代になっても結局は誠実な仕事が評価されるという著者の考えです。SEOの歴史にはさまざまなハックが存在しましたが、生成AIの登場によって、そうした小細工は通用しにくくなりました。本当に専門性があり、ユーザーに役立つ情報を発信し、良質なサービスを提供している事業者が評価される方向へ向かっています。この点は心理臨床・カウンセリングにも通じるところがあります。派手な宣伝や過剰な自己演出ではなく、地道な実践と専門性の蓄積こそが、長期的には信頼につながるのです

最後に

階段を上る女性

本書はAI集客のテクニック本ではありません。むしろ、AI時代における信頼の作り方やブランド形成について論じた一冊です。開業カウンセラーや心理職にとっても、ホームページ運営や情報発信を考えるうえで多くの示唆を与えてくれます。AI検索という新しいテーマを扱いながら、その結論は驚くほど王道です。だからこそ、流行に左右されず、長く読み継がれる価値を持った書籍であると感じました。

ちなみに本書の著者の住太陽先生には2026年12月に当オフィスでセミナー講師を依頼しています。心理職・カウンセラーに限定して、AIやSEOのお話をしていただく予定です。今から楽しみです。

住太陽(著)『AIで集客する仕組み』技術評論社 2026年