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愛着障害の6つの特徴とカウンセリング

愛情は欲しいけれど

愛着障害の診断基準とはやや違いますが、愛着障害の方は主に以下の6つの領域において症状や困難さを抱えてしまいます。その上で、愛着障害のカウンセリングについて解説します。

1.愛着障害の6つの特徴

チェック服の女性

(1)愛着障害の対人関係

人は人との関係の中でしか生きていくことができません。どれだけ人との接触を避けようとしても、ゼロにすることは不可能でしょう。対人関係にはコミュニケーションという側面があります。コミュニケーションを通して、言語的な交流と同時に非言語的な交流も行います。そして、その中には思いや気持ち、感情というものが多かれ少なかれ含まれます。

愛着障害の方は対人関係の中で良くも悪くも強い思いを含ませてしまいます。強い好意、理想、愛情、親しみなどを向けると同時に、反対に怒り、不満、憎しみ、嫉妬、恨み、寂しい思いなどといった否定的な感情も感じます。さらには、不安や恐怖、恐れ、苦痛などもあるかもしれません。

そうした強い感情があると冷静な対人関係を営むことができず、極端な距離の取り方をした対人関係になってしまいます。相手に対して過度にしがみついてしまったり、反対に極端に避けてしまったりなどは典型例です。こうしたことは愛着のスタイルにもよりますが、自然で、適度な愛着行動がとれないことに要因があるでしょう

また、そうした激しいものではなかったとしても、他者に迎合し、過剰に適応し、自分を失ってしまうといったこともあります。良い子を演じると言ってもいいかもしれません。

(2)愛着障害の否定的自己像

愛着障害の方は他者との関係だけではなく、自分との関係、つまり、自分自身をどのように認知し、認識するのかについても問題が生じます。多くの場合には、自信が持てず、自尊心が低く、自分自身のことをないがしろにしてしまったりします。過度に自己否定的になり、「どうせ自分なんて誰からも愛されない」などといった絶望的な思いを抱いてしまうことがあります。

時には卑屈になったり、なげやりになったりして、自暴自棄的な行動に至ってしまう場合も少なくありません。

他者から愛されなかったのであれば、自分自身のことを愛することはできないのでしょう。他者から大切にされなかったのであれば、自分自身のことを大切に扱うことはできないのでしょう。他者からケアされなかったのであれば、自分自身のことをケアすることはできないのでしょう

(3)愛着障害の性的活動

他者との親密で、愛情のやり取りをする究極の行動は性的な行動であるといえます。恋愛関係は対人関係の一つの側面であり、やはりこの側面にも愛着障害の方は問題や困難さを抱えてしまいます。

好きな人であるにも関わらず、性的接触や性行為をすることを酷く汚らしく思ったり、怖いものと思ったり、不安を生じてしまったりして、行うことができない場合もあります。性的接触や性行為は嫌だけど、相手を引き留め、振り向かせる手段として嫌々ながら行為に応じてしまうという人もいるようです

反対に、過度に性に奔放になり、不特定多数の人と性的な接触や性行為をしてしまう人もいるようです。こうしたことは性感染症や性犯罪のリスクとなりますし、そうした意味では自傷行為の一種と言って良いかもしれません。

(4)愛着障害の極端な情動

感情を適度にコントロールすることは成長するにしたがって徐々にできるようになっていきます。しかし、愛着障害の方はこうした感情コントロールが非常に困難である場合があります。些細な出来事に刺激され、感情を爆発させてしまうこともあります。また、当然感情を出して良い場面であるにもかかわらず、過度に抑制し、抑え込もうとしてしまうこともあります。それが行き過ぎて、感情を麻痺させたり、解離させたりすることもあります。

感情が爆発し、コントロールできなくなると、危険な行動を衝動的に取ってしまう場合もあり、非常に危うい状況になってしまいます

(5)愛着障害の衝動的な行動

人は思考を働かせて、状況を分析し、先を予測し、メリットとデメリットを検討し、その上で計画的に行動を起こす、という一連の作業を行います。そうすることによって、悪い状況を回避し、より良い状況にしようとします。しかし、愛着障害の方はそうした計画的な行動をすることができず、目の前のことだけに囚われ、後先のことを考えることなく衝動的に行動してしまう傾向があります。

そうした衝動的な行動によって、彼ら彼女ら自身を悪い状況に至らしめ、さまざまな損失を被ってしまったりします。そうしたことに後悔したりしますが、また結局は同じことを繰り返してしまいます

(6)愛着障害の身体的な不調

身体と心は非常に密接な結びつきがあります。心が弱ると身体も弱りますし、身体が弱ると心も弱ります。その逆もあります。愛着障害の方は明確な身体的な要因がないにもかかわらず、疲れやすかったり、胃腸が弱かったり、夜が寝れなかったり、食欲が低下していたり、微熱が続いたり、頭痛が頻発したりといった身体的な不調を抱えてしまうことが多いようです

おそらく、愛着障害の方はストレスを抱えてしまうことが多いのだろうと思いますし、そのストレスが身体の不調に結びついていることがまずは考えられるでしょう。

2.愛着障害のカウンセリング

赤い傘の女性

愛着障害のカウンセリングでは、愛情を供給し、育て直しをすることが愛着障害の治療としては不適切です。では、どういった治療法が愛着障害には有効なのかをここでは示していきます。

(1)愛着障害に対する薬物療法

愛着障害の人は抑うつ、不安、不眠、情緒不安定、食欲低下などの精神症状を伴う場合があります。そして、それによって日常生活が非常に阻害されてしまうのであれば、薬物療法を試してみることも必要です。薬物療法によって根本的な部分の治療をすることはできませんが、精神的にかなりよくなると生活もしやすくなるでしょう。

また、精神的に落ち着くことにより、カウンセリングなどで自分自身のことを考えたり、解決策を試していったりすることもしやくなります。

ただ、愛着障害の人は依存的になりやすい傾向もあるので、ある種の向精神薬では、依存を助長してしまうこともあります。ですので、精神科医と相談し、用法用量を必ず守って服用するようにすると良いでしょう

(2)愛着障害に対する認知行動療法

認知行動療法とはクライエントの不適切な認知と行動に働きかけ、症状や問題を改善していく技法です。愛着障害の人は自分自身を否定的に考えてしまったり、他者に対して迫害的、被害的に捉えてしまったりすることが多いです。また、衝動的な行動や過度に依存的な行動をしてしまったりすることもあります。

こうなってしまった理由や事情は非常によくわかりますし、それ自体に意味はあるかとは思いますが、結果的にこうした認知や行動によって、その愛着障害の人が不利益を被ったり、さらに苦しんでしまったりしてしまいます。

認知行動療法では、こうした愛着障害の人の認知や行動をアセスメントし、より妥当で、機能的な認知や行動へと変化を促していきます。もちろん、それは強制的で、指導的なやり方ではありません。愛着障害の人と協働関係を結び、一緒に考え、一緒に試行錯誤しながら、一つ一つクリアしていきます

認知行動療法についての詳しい説明は以下にあります。

認知行動療法
認知行動療法を当オフィスで受けることができます。その認知行動療法について歴史、やり方、理論、効果、エビデンス、実施などについてクライエント向けに分かりやすく解説しています。認知行動療法とは認知(物のとらえ方、考え方)と行動を変化させることにより、様々な問題ごとや困難、症状を改善していく技法です。どちらかというとトレーニングに近いイメージです。

ただし、愛着障害の人は他者と依存関係や敵対関係になりやすい傾向があります。つまり、カウンセリングを受けているカウンセラーともそうした関係になってしまうことも多々あります。精神分析的にはこれを「転移」と言います。そうなると、認知行動療法で必要な協働関係を結ぶことができず、認知行動療法の効果が半減してしまったり、そもそも認知行動療法を実施することができない事態になってしまいます

そうした時には認知行動療法にこだわるのではなく、この関係性になっていることを話し合い、どうすれば良いのかを考えながら解決していくようなカウンセリングをしていく方が良いでしょう

(3)愛着障害に対するEMDR

EMDR(眼球運動による脱感作と再処理療法)とはトラウマやPTSDの治療に特化した、比較的新しいカウンセリングの技法です。トラウマを想起しながら、カウンセラーの左右に振る指を見ながら、眼球を左右に動かすことで、トラウマの処理が進行し、結果的にトラウマやPTSDが治るという技法です。

愛着障害の人は特に両親や養育者との関係でトラウマを抱えていることが多く、そのトラウマにより、現在の問題が起こっています。そのため、EMDRなどでトラウマを解消することにより、愛着障害を治療していくことができます

ただし、3~4歳以前の言語を獲得する以前の体験については、トラウマ体験や虐待体験をエピソードとして記憶されていることはあまりありません。ですので、こういったエピソード記憶がないトラウマについてはEMDRは困難である場合もあります。

EMDRについては以下のページに詳細に書いています。

EMDR
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理療法)を当オフィスで受けることができます。そのEMDRとは、カウンセリングや心理療法の歴史の中でも比較的、最近開発された心理学的技法です。そして、特にPTSD(心的外傷後ストレス障害)や解離性障害、トラウマ関連障害に特化しています。ここではEMDRの歴史、治療、効果、やり方、危険性、説明をしていきます。

(4)愛着障害に対する精神分析的心理療法

精神分析的心理療法は数ある心理療法・カウンセリングの中でも非常に長い歴史と、多くの蓄積のある技法です。20世紀初頭にフロイトによって創始された精神分析・精神分析的心理療法は当初はヒステリーの治療法でしたが、その後、さまざまな発展を加え、ヒステリー以外にもその対象を広げていきました。

精神分析・精神分析的心理療法の特徴としては、カウンセラーとクライエントの関係性に焦点を当て、クライエントの繰り返される人間関係(これを転移といいます)の変容を促していきます。

愛着障害の人は非常に過酷な体験をしており、その体験から、ある意味では誤った対人関係のパターンを繰り返してしまいます。それはカウンセラーとの間でも同様に繰り返してしまいます。ですので、誤ったパターンが顕著に出現するので、精神分析・精神分析的心理療法が有効に働くことが多いようです

精神分析・精神分析的心理療法の詳しい説明は以下のページにあります。

精神分析的心理療法
精神分析的心理療法を当オフィスで受けることができます。その精神分析や精神分析的心理療法についての歴史、構造、基本概念、プロセス、効果、批判、誤解などについて解説しています。主にクライエントが精神分析や精神分析的心理療法を知り、体験するために必要なものに絞っています。

3.愛着障害のカウンセリングを受ける

赤い服の子ども

愛着障害の6つの特徴と、愛着障害のカウンセリングについて解説しました。愛着障害は愛情にまつわる問題があるだけに、特に対人関係や自己感に大きな損傷があることが多いです。しかし、カウンセリングではその対人関係や自己感を扱うことが長けています。つまり、カウンセリングで良くなる可能性が高いということです

愛着障害のカウンセリングを受けたいと思われる方は以下の申し込みフォームからお問い合わせください。

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【執筆者情報】

  • 北川 清一郎
  • 資格:臨床心理士、公認心理師、日本精神分析学会認定心理療法士など
  • 所属学会:日本心理臨床学会、日本精神分析学会、日本EMDR学会、日本臨床心理士会、日本公認心理師協会など
  • 役職:神奈川県臨床心理士会代議員、日本臨床心理士会委員などを歴任
  • 経歴:精神科や心療内科、教育センター、児童相談所、就労支援施設などでの臨床経験は約20年になる。また、臨床心理系の大学などでの非常勤講師を歴任。執筆した論文は多数。メディアや雑誌での出演経験も豊富。
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